2013年7月17日水曜日

イントロダクション

 
 近年“ファッションにおける言説”というものに注目が集まってきています。それは2011年の「ファッションは語りはじめた」発売に続き「fashionista」創刊、「ファッションは更新できるのか?会議」や「Think of Fashion」など、ファッション言説を生もうとする取り組みがここ数年で顕著に増えたことからも伺えます。
 そもそも語る言葉がないということは、ファッションに批評がなされていないということです。今日衰退するファッション業界を立て直すためにも、われわれは批評により評価体制をつくり、ファッションを確固たる文化として成り立たせていく必要があります。

 
 ではなぜファッションに批評がなされてこなかったのか。それには様々な理由が挙げられますが、そのひとつとしては服が他の芸術分野と違い日用品としての側面を持つことがあるでしょう。ファッションと一言でいっても芸術的、商業的、デザインを守る法学的な観点など、様々な視点からのアプローチで語る必要があるのです。それによりファッションについて俯瞰して何かを語るのは一筋縄ではいきません。しかしそこにこそファッションの面白さがあるでしょう。


 ファッションに興味がないという人でも自分で服を購入し、毎日服を着て過ごします。そういった人たちもファッションという文化の直接的な担い手となるのです。ファッション文化のあり方を考えるとき、興味のある人はもちろん、そういった単なる日用品として消費している人が関心を抱き、こういった現状に自覚的になることは重要となってくるはずです。





と、ここまで仰々しい話をしてきましたが、こういった現状の中でこれから繊維研究会はコンスタントな発信の場を兼ねてこのブログを更新していきます。
 それは批評といえるようなものではないかもしれませんが、総合大学生や専門学生がそれぞれの関心に寄せて様々な視点からファッションについて文章にすることで、多様な見方を提示し、みなさまがファッションについて考えたり関心を持ったりするきっかけとなり、ファッション文化をより身近なものとして捉えてもらえればと思っております。





繊維研究会